Unit2:現状を超えたゴール設定

ゴールとは夢や目標といった人生で成し遂げたいこと、達成したいことです。

あなたの現状のセルフイメージを超えたところに、ゴールを設定しなさい。

あなたの現状のセルフエスティーム(過去の結果)を超えたところに、ゴールを設定しなさい。

​他人があなたについて言うことを超えたところに、ゴールを設定しなさい。

【最初にゴールありき】

コーチングではまずゴールを設定するところから始まります。

​コーチ(Coach)とはその由来の通り「馬車」を意味するものです、人や荷物を乗せて、目的地まで連れて行ってくれる乗り物を「コーチ」と呼んでいたわけです。

現在、私達が用いている「コーチ」という言葉も、本質的には変わっていません。

つまり、「人を”目的地”まで連れて行ってくれる人」のことを「コーチ」というのです。

重要なことはコーチングを受ける人に”目的地”があるのが大前提だということです。

コーチはクライアントがゴールを上手に設定出来るように手助けはするものの、ゴールそのものを与えてくれるわけではありません、人から与えられたもの、押し付けられたものはゴールとはなり得ないのです、ゴール設定は必ず自分自身で行うようにして下さい。

「ゴールを定めさえすれば、認識することが出来る」これは有名なルー・タイスのプリンシプルの1つです、登山をしようと思っても登る山、行き先が決まっていなければ山頂に到達する道すら認識することが出来ません、ゴールを設定するから道筋が認識出来るようになるのです。

【ゴール設定における基本的な3つのルール】

・現在の自分では達することの出来ない何らかの構造的な障害がある(現状の外)ゴール

・止められても達成したい、何が何でも達成したい(Want to)ゴール

​・人生の全方位に対してバランスがとれた(バランスホイール)ゴール

【ゴールは現状の外側に設定する】

「現状」とは、「Status Quo」とも言い、「現在ある状態」だけでなく『現在の状態のままいけば十分に起こり得ると予想される未来』をも含んだ概念です。

​つまり、現状の外側のゴールとは現状維持ではなし得ないような、現状の自分とはかけ離れ、現状の仕事や環境では考えつかないような突飛なゴールのことです。

もし、ゴールを現状のコンフォートゾーンの内側に設定してしまうと、それがスコトーマ(思考の盲点)をさらに強めるように働き、現状維持を強めてしまい、昨日と同じ今日を過ごしてしまうでしょう。従ってゴールを現状の外側に設定することは極めて重要になります。

ゴールを設定する際には達成の仕方が分かっている必要は一切ありません。

「リソースがなければ実現のしようがない」と考えるかもしれませんが、あらかじめリソースを考慮に入れる必要は無いのです。ゴールを設定すればスコトーマ(心理的盲点)が外れ、今まで見えなかったリソースの在処が見えるようになるのです。

ゴールを設定する段階で達成の仕方が分かっている、見えている場合は現状の内側、あるいは理想的な現状、である可能性があります、ゴールは高ければ高いほど良いのです。

【本当にやりたいこと、心から望んでいるゴールを設定する】

ハーバードビジネススクールでの207の企業に対する10年間の追跡調査が行われました。

抑圧的・強制的な"Haveーto"企業と、自発的・やりたいことだけを行う”Wantーto”企業カルチャーでは、純利益が750倍違うというデータが出されたのです。

人間というものは、「自分に本当にやりたいこと=Wantーto」があるとき、たとえそれがどんなに途方もないことであっても、また客観的にみて出来ない理由が山のようにあっても、人間の持つクリエイティビティによっていつの間にかやり遂げてしまうものです。

いっぽうで「しなければならないこと=Haveーto」という意識は、人間はそれをしなくていい理由を潜在意識がいくらでも創り出してしまいます。これをクリエイティブ・アボイダンス(創造的回避)と言い、潜在意識の力によって、その人を現状にとどまらせるように働くのです。

ゴール設定とあなたがとる必要な選択と行動は、ネガティブな「しなければ=Haveーto」ではなく、建設的な「したい=Wantーto」という気持ちから起こすことが重要です。

あなたがそのゴールを達成したいと心から思わない限り、達成することはないでしょう。

​【バランスをとる】

自分の人生を、丸い車輪として考えてみてください。1つの領域だけに目標を置くと、すぐに丸い形が崩れてしまいます。そうすれば、車輪はやがて転がらなくなるでしょう。​

ゴール設定をする上でバランスをとることが重要です。バランスとは自分自身と自分の人生に大切な人達に利益をもたらす、それぞれの領域(家族、健康、社会貢献、キャリア、結婚・恋愛、教育、趣味、時間、仕事、ファイナンスなど)を調和させるということです。

つい人生のゴールと言うと職業上のゴールに重点を置いて設定してしまいますが、それでは不十分です。

バランスホイールをほどよく満たすことを心がけて下さい。

​ゴールは1つひとつが現状の外側に設定することが必要ですが、現実にはコーチのサポートなしにすべてを現状の外側に設定するのは難しいものです。まず身近なゴール、暫定的なゴールでもかまいませんので、人生の各方面にゴールを設定してみましょう。その上で、それらを束ねるような大きなゴールを見つけていくようにしましょう。

【コーポレートゴールおける基本的な3つのルール】

コーポレートコーチングにおいてもゴール設定のルールは基本的には同じです。

・コーポレート・ゴールは「現状の外側」に設定する

・コーポレートとして成し遂げたいことをコーポレート・ゴールとして設定する

・コーポレート・ゴールは組織運営における各方面に、まんべんなく設定する

​コーポレートのバランスホイールではステークホルダー、ファイナンス、労働環境、福利厚生、地球環境、新規技術、社会貢献など様々な切り口でゴールを設定していきます。